タッチパネル製造で、レーザーパターニングは何を変えられるのか
タッチパネルやディスプレイの基板――特に産業用・車載・デジタルサイネージ用途などでは大型化が進んでいます。しかし、画面が大きくなるほど、同時に製造装置の巨大化や回路形成に使う大量の化学薬品の管理・廃棄処理が必要となり、現場のコストや技術ハードル、環境負荷は高まる一方です。
このとき検討に上がるのが「レーザーダイレクトパターニング」です。ただし「レーザーにすればすべて解決する」と単純に言えるわけではありません。基板が大型化することによるレーザー加工ならではの問題が発生します。
タッチパネルのパターニングは、工程数と薬液を抱えている
ITO膜のパターニングは、一般にレジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離、洗浄という多段の工程で行われます。銀ペーストの配線はスクリーン印刷と焼成が中心です。いずれの方式も、薬液や洗浄廃水、そして複数の工程ステップを伴います。
基板が大型化するほど、各工程の設備規模、薬液量、洗浄負荷、そして一枚あたりの歩留まりリスクは膨らみます。パターン自体は微細でも、それを成立させる工程全体が重くなっていくのが、大型基板の現実です。
レーザーパターニングで変えられること
レーザーは、成膜された層をマスクや薬液工程を介さずに直接除去し、データどおりにパターンを描けます。絶縁分割、印刷後の銀ペーストの不要部除去・トリミング、ガラスやフィルムのカットなどが対象になります。
薬液工程を一部置き換えられれば、工程短縮、薬液と洗浄廃水の削減、保守性の改善につながる可能性があります。化学薬品を使う工程をレーザーで置き換える市場的な意味は、ケミカルフリーパターニングが製造業で重要になる理由でも整理しています。
大面積レーザーパターニングでは、加工エリアの設計が課題になる
ただレーザーに置き換えるだけでは、廃液や工程の削減はできても、ITOパターニングにおける加工領域の大面積化というニーズへ応えるのは困難です。
特に量産工程では、加工エリアの広さが大きな制約になります。加工範囲が小さい装置では、大型基板を複数回に分けて処理するステップ&リピート加工が必要となり、タクトの増加や、つなぎ目部分の品質ばらつきが課題になりやすくなります。
そのため、ITO膜や銀ペーストのレーザーパターニングでは、単に膜を除去できるかだけでなく、広い加工エリアをどのように均一に処理するか、分割加工をどこまで減らせるか、量産タクト内で安定した加工品質を維持できるかが重要になります。
Quantecでは、この課題に対して、大面積加工に対応した光学設計、スキャン制御、加工装置構成を一体で設計しています。大面積加工を可能にするPICTURAをはじめ、UV/IRのレーザーパターニング装置により、タッチパネル製造工程における大面積レーザーパターニングの導入を支援します。